
2015/7/6
六本木ヒルズと六本木交差点の間、一等地に位置するストライプハウスで
先日茶会記で行われていたBOZZOさんの写真展を契機に意志疎通をしている玉内さんの写真を観た。
1970年代から現在に至る奥様、深谷正子さんの沿革も確認できる。
被写体の強度は無論として
プロの写真家としての資質は時間を経過してもぶれていないということがみてとれる。
写真鑑賞の後は、ジャズ喫茶だった渋谷・JBSに参る。午後5時開店にかわり外人専用のミュージックバーの
様相になったJBS。かつてのジャズ喫茶の気風はないが、それでも私は通い続けるだろう。
その後は明大前のジャズ喫茶マイルスに参る。
マイルスデイビスのアルバムDIGがかかった。新宿の店DUGの前身はDIGであり開店はマイルスと同じ
1960年である。玉内さんの展示と同時展示されていた高島史於さんの1970年代からの写真に時代の凄さ。
さらにその昔はもっと強烈だったのだろうと考えたりもする。
ジャズ喫茶の末裔である喫茶茶会記と「モダンダンス・モダンジャズ」の世界は結構おさまりが合うものだ。
明大前に来た主目的はキッドアイラックホールで喜多尾浩代のパフォーマンスを堪能すること。
会場を外へ露出させ、それを舞台背景とする手法はかつて隆盛したテント劇を喚起するが
キッドのソリッドな建物が今日的鮮度を与えていた。喜多尾浩代の見出した「身体事」。
あの一貫したスローペースな所作で時間を充足させる技術は見事である。
喫茶茶会記ではライブスペースとカフェスペースが別れており、概ねカフェスペースにいる
店主は経営上、ライブスペースに常駐することはできない。
ライブスペースから流れるわずかな音を頼りに実演者の気風を察するがダンスだとそれが不可能である。
故に、今回の喜多尾浩代の動きをじっくりみれたのは収穫になる。
「身体事」の凄さを確認すると同時に長きに渡り君臨しつづけるキッドアイラックホールの
底力(運営する早川夫妻の心意気も含め)も改めて確認した。
その後、新宿往復書簡共同投稿者のジャズ喫茶の大先輩、新宿サムライの二健さんに挨拶に参る。
オーネットコールマンの壁に熱い思いを馳せる。
サムライも茶会記もジャズ喫茶とはいえないかもしれないけれど継承しているのだ
かつての文化の熱量をこの壁を締めとして感受した一日だった。