2009年03月17日

その四「外灯」

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*深い夜と街路灯です。二健様のインスピレーションへ photo by Fukuchi

  街路灯神話
                         宮ア二健
伊耶奈岐命(イザナギノミコト)と、
伊耶那美命(イザナミノミコト)は、
天の浮橋(アメノウキハシ)にお立ちになり、
高天原の天津神(アマツカミ)達から、
有るべき姿の国を整備すべく授かった
天の沼矛(アメノヌホコ)で
青海原を掻き回した。
沼矛を引き上げると、
その先から滴る潮が積もって島になった。
これを淤能碁呂島(オノゴロシマ)と云う。
「おのずから成った」ことからの命名だ。
その島には何も無いはずなのだが、
儀式用に天の御柱(アメノミハシラ)があった。
寝所となる八尋殿(ヤヒロドノ)があった。
男女の二神は、ここで婚姻し夫婦になった。
伊耶那美命の体の出来きれていない処へ、
伊耶奈岐命の体の出来過ぎた処で刺し、塞いで、
新たな国を産んだ。治める神々を産んだ。
初めに産んだ子供も、次の子も失敗だった。
葦の舟に乗せて、流してしまわれた。
お子の名は水蛭子(ヒルコ)と、淡島(アワシマ)。
後の神々の数には入れられなかった。
暗い処でお産みになったのだった。
その後、伊耶那美命は火の神を産んで、
陰に火傷を負って死んでしまった。
伊耶奈岐命は、哀れ亡き妻を愛しみ忘れられず、
連れ戻そうと黄泉の国へ旅立った。

    *

女は男をやる気にさせる。
男は女にやる気にさせられる。
二神は天の御柱を逆に巡った。
出会って、共に相手を誉め、愛でた。
先の声がけは、女神だった。

女は男を立てた。
男は女に立てられた。
共に愛しき仲となった。
そして、国が産まれた。
そして、神々が産まれた。

男は女を濡らした。
女は男に濡らされた。
共に濡れた仲となった。
そして、国が産まれた。
そして、神々が産まれた。

    *

立てる事は立たされる事
濡れる事は濡らされる事
立てる事は立てられる事
濡れる事は濡れられる事

立てる女と立たされる男
濡れる女と濡らされる男
立てる男は立たされた男
濡れる女は濡らされた女

立てられた男は奮い立ち
濡らされた女は命を育む

天の沼矛には玉飾があり
その玉飾は神の魂を宿す
天の沼矛の先に魂を送り
魂は国を産んで神を育む

立てるとは立て祀る事也
濡れるとは潤い勇む事也
而して水成流転に漂う也

天の沼矛で青海原を刺し
掻き回したる姿その滴り

天の御柱逆巡りの出合い
誉め合い身も心も潤う姿

立つものと濡れるものは
狩りに耕しに守りに立ち
褥に潤い夢うつつに眠る

男は立ち女は濡れて勇み
女は濡れ男は立ちて勇む

出来足りず出来過ぎの身
出来過ぎと出来足りぬ心
逆さ巡りで目合う男と女

街路灯に一条光る神話哉


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[♪執筆中に使用したBGM(CD)]
・R.Hanna & E.Nakayama 「Hush a Bye」(What's New)


ラベル:古事記 神話 二健
posted by samuraisakaiki at 19:33| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この写真はサラリーマン時代、夜中帰宅している際に撮ったものです。場所は世田谷、駒沢通りです。心を失うことを忙しいといいますが、そういった意味で忙しかった時期です。そんな中、せめてもの思いと諦観の境地が入り混じる中、街路灯を撮ったのです。今回、二健さんの文を読み、過去の記憶へ戻り、そこからさらに艶かしい宇宙へ旅した気分になりました。
Posted by 喫茶茶会記 at 2009年03月17日 19:34
写真は地から天を仰ぎ
詞藻は天から地を臨く
色即是空空即是色の妙
次回は我が写真に貴稿
画像のIMAGEを詞藻へと
Posted by 二健 at 2009年03月17日 19:35
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